2026年版・4-3

第2・3石油とアルコールの一問一答

危険物乙4「危険物の性質・火災予防・消火」から、第2・3石油とアルコールに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-3

灯油と軽油(ともに第2石油類)の性質の比較として、最も適切な記述はどれか。

  • 灯油は水よりも重いとされているが、軽油は水より軽いため消火方法が異なる
  • 軽油は灯油に比べて沸点が高く、ディーゼルエンジンの燃料として用いられる
  • 軽油は水に完全に溶けきるとされているが、灯油は水に全く溶けない
  • 軽油は常温(20℃)でも容易に引火するが、灯油は加熱しなければ引火しない
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正解 軽油は灯油に比べて沸点が高く、ディーゼルエンジンの燃料として用いられる
解説
原油を蒸留すると、沸点の低い順に「ガソリン → 灯油 → 軽油 → 重油」の順に分離されます。したがって軽油は灯油より重く、沸点も高いです。両方とも引火点は常温以上(灯油40℃以上、軽油45℃以上)であり、水より軽く非水溶性です。

他の選択肢が不適切な理由
灯油が水より重いとする記述は、灯油も軽油も比重が0.8前後で水より軽いという事実と合いません。軽油が水に完全に溶けきるとする記述も、どちらも炭化水素が主成分で水にはほとんど溶けない非水溶性であるため誤りです。軽油が常温でも容易に引火するとする記述は、軽油の引火点が45℃以上で常温のままでは引火しにくいという性質と正反対になっています。
問24-3

アルコール類(メタノール、エタノール等)の火災の特徴と消火方法に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A. 燃焼時の炎が淡い青色(淡青色)であり、明るい場所では火災に気づきにくい。
B. 水溶性であるため、大量の水をかけてアルコール濃度を下げる「希釈消火」が最も効果的である。
C. 一般の油火災用泡消火剤を使用すると泡が破壊されるため、耐アルコール泡消火剤を使用する。

  • AとBのみ正しい
  • BとCのみ正しい
  • AとCのみ正しい
  • A、B、Cすべて正しい
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正解 AとCのみ正しい
解説
Aは正しい:アルコールの炎は昼間は見えにくく、服に燃え移っても気づきにくい恐怖があります。
Bは誤り:水溶性であっても、引火しなくなる濃度(数%)まで水で薄めるには莫大な水量が必要であり、現実には容器から燃えたままの液体が溢れ出して火災を拡大させてしまいます。注水による希釈消火は原則行いません。
Cは正しい:消泡現象を防ぐため、専用の耐アルコール泡が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
水で薄める希釈消火が最も効果的とする記述Bを正しい側に数えている三つの答えは、いずれも成り立ちません。引火しなくなる濃度まで薄めるには膨大な水が必要で、途中で燃えたままの液が容器から溢れて火災を広げる危険があります。また記述Aを外す答えは、アルコールの炎が淡い青色で明るい場所では見えにくいという実際の危険を否定することになり、これも適切ではありません。
問34-3

軽油(第2石油類)を寒冷地で使用する際に発生しやすいトラブルとその原因として、正しいものはどれか。

  • 軽油に含まれるパラフィン分が低温で結晶化してドロドロの状態になり、燃料パイプを詰まらせる
  • 軽油の引火点そのものが急激に低下してしまい、静電気による意図しない爆発的な燃焼を引き起こす
  • 軽油が空気中の水分を吸収して水溶液となり、エンジン内部を激しく腐食させてしまう
  • 軽油が酸素と反応してすぐに自然発火してしまい、燃料タンクごと一気に激しく炎上する
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正解 軽油に含まれるパラフィン分が低温で結晶化してドロドロの状態になり、燃料パイプを詰まらせる
解説
軽油にはパラフィン(ワックス分)が含まれており、低温になるとこれが結晶化して流動性を失い、エンジンがかからなくなることがあります。これを防ぐため、冬の北海道などでは凍結しにくい「特3号」などの寒冷地用軽油が販売されています。

他の選択肢が不適切な理由
引火点そのものが低下するとする記述は、引火点が物質ごとに決まった固有の値であり外気温で動くものではないため誤りです。水分を吸収して水溶液になるとする記述も、軽油は水にほとんど溶けない非水溶性であるため成り立ちません。低温で自然発火するとする記述は、軽油の発火点が200℃を超える高い温度である点と矛盾し、そもそも寒さは酸化反応を遅らせる方向に働きます。
問44-3

消防法上の「アルコール類」の定義において、該当する炭素原子の条件はどれか。

  • 炭素原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)
  • 炭素原子の数が1個から5個までの全てのアルコールとされる(変性アルコールを除く)
  • 炭素原子の数に制限はなく、水に溶けさえすればすべて対象となるとされている
  • 炭素数が4個以上であって、引火点が21℃未満のアルコール全般とされている
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正解 炭素原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)
解説
消防法上のアルコール類は、1分子中の炭素数が1個(メタノール)、2個(エタノール)、3個(プロパノール等)の飽和1価アルコールに限定されます(変性アルコールも対象)。炭素数が4個以上になると、その引火点に応じて「第2石油類」等に分類されます。また、アルコール濃度が60%(重量パーセント)未満の水溶液は危険物から除外されます。

他の選択肢が不適切な理由
炭素数1個から5個までとする記述と、炭素数4個以上で引火点21℃未満のものとする記述は、いずれも実際の区分と範囲がずれており、炭素数が4以上のものは引火点に応じて第2石油類などに分類されます。水に溶けさえすれば制限がないとする記述も、水溶性であることは区分の条件ではなく、濃度60パーセント未満の水溶液が危険物から除かれる点でも実際の扱いと異なります。
問54-3

メタノール(メチルアルコール)とエタノール(エチルアルコール)の性質の違いについて、最も適切なものはどれか。

  • メタノールは飲用することも十分に可能であるとまでも一応されているが、エタノールは猛毒である
  • メタノールには強い毒性があり誤飲すると失明の危険があるが、エタノールは酒類の主成分である
  • メタノールは水にほとんど全くもう溶けないとされるが、エタノールは水に完全に溶ける
  • メタノールは第1石油類に分類されるとされ、エタノールはアルコール類に分類される
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正解 メタノールには強い毒性があり誤飲すると失明の危険があるが、エタノールは酒類の主成分である
解説
メタノールは体内で代謝されると、視神経を破壊する有毒物質に変わります。戦後の密造酒騒ぎなどで多くの被害を出しました。絶対に飲んではいけません。「目が散る(メチル)」と覚えます。どちらも水溶性であり、アルコール類に分類されます。

他の選択肢が不適切な理由
メタノールが飲用できるとする記述は、体内で視神経を侵す物質に変わり失明や死亡に至る猛毒であるため、明確に誤りです。メタノールが水にほとんど溶けないとする記述も、メタノールはエタノールと同じく水と任意の割合で混ざり合うため事実と逆です。メタノールを第1石油類とする記述は、炭素数1の飽和1価アルコールとしてアルコール類に区分される点を取り違えています。
問64-3

重油(第3石油類)の火災において、消火の際に注意すべき「ボイルオーバー」とはどのような現象か。

  • タンクがその熱によって急激に膨張してしまい、その溶接部分から徐々に油がじわじわ漏れ出す現象
  • タンク底部にたまった水が熱波で急激に沸騰し、上の油を巻き込みながら爆発的に噴き出す現象
  • 消火剤の泡が油の熱ですぐに蒸発してしまい、全く消火効果がもはや得られなくなる現象
  • 発生した可燃性蒸気が上空で一気に発火してしまい、火の玉となって周囲一帯に降り注ぐ現象
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正解 タンク底部にたまった水が熱波で急激に沸騰し、上の油を巻き込みながら爆発的に噴き出す現象
解説
重質油のタンク火災が長時間続くと、熱波がタンクの底に達します。タンク底に溜まっていた水がこの超高温に触れると、水が一気に水蒸気になります。水は気体になると体積が約1700倍になるため、その勢いで上の熱い油を火柱のように噴き上げます。非常に恐ろしい現象です。

他の選択肢が不適切な理由
タンクが膨張して溶接部からじわじわ漏れるとする記述は、単なる漏えいであって、油が噴き上がる現象の説明にはなっていません。泡が蒸発して効果が得られないとする記述は、消火剤の側の劣化を述べたもので、タンク内部で起こる現象とは別の話です。可燃性蒸気が上空で発火して火の玉になるとする記述は、蒸気雲が一気に燃える別の現象を指しており、タンク底の水が沸騰する仕組みとは関係がありません。
問74-3

第4石油類(ギヤー油、シリンダー油など)の引火点の基準として、正しいものはどれか。

  • 引火点が70℃以上200℃未満のものとされる(第3石油類と同じ基準)
  • 引火点が200℃以上250℃未満であると法令上定められているもの
  • 引火点が250℃以上であると消防法令上に明確に定められているもの
  • 引火点の高低に関わらず、常温において固体であるとされる潤滑油のすべて
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正解 引火点が200℃以上250℃未満であると法令上定められているもの
解説
潤滑油(ギヤー油、シリンダー油)などのドロドロで燃えにくい油がこれに該当します。引火点が高いため常温での引火リスクは低いですが、一度火がつくと液温が200℃以上の超高温になっているため、消火が非常に困難になります。

他の選択肢が不適切な理由
70℃以上200℃未満とする記述は第3石油類に用いられる区分であり、重油やクレオソート油などが当てはまります。250℃以上とする記述は、第4石油類の上限を超えており、その温度帯のものはこの区分から外れます。引火点に関係なく常温で固体の潤滑油をすべて含むとする記述も、第4類が引火性の液体を対象としている以上、固体をまとめて取り込むことはできません。
問84-3

動植物油類(アマニ油やヤシ油など)に特有の危険性である「自然発火」のメカニズムとして、正しいものはどれか。

  • 油に含まれる水分が微生物によって非常にゆっくりと分解され、その発酵熱によって発火する
  • 油が空気中に含まれている水分をかなり急速に吸収し続けてしまい激しく発熱し、発火点に達してしまう
  • 油が空気中の酸素と結びついて酸化熱を発生させ、布等に染み込んで熱が蓄積することで発火点に達する
  • 油が直射日光に含まれる紫外線を吸収して激しく化学変化を起こし、瞬時に爆発してしまう
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正解 油が空気中の酸素と結びついて酸化熱を発生させ、布等に染み込んで熱が蓄積することで発火点に達する
解説
動植物油(特にアマニ油などの乾性油)は、空気中で酸化しやすい性質があります。拭き取りに使ったボロ布などに染み込むと、空気と触れる表面積が大きくなり、酸化反応が進んで熱が発生します。布が丸まっていたり積み重なっていたりすると熱が逃げずに蓄積し、やがて自ら燃え出します。

他の選択肢が不適切な理由
微生物の発酵熱によるとする記述は、水分と有機物が多い堆肥などで起こる現象であり、油の染みた布に当てはまるものではありません。空気中の水分を吸収して発熱するとする記述も、動植物油は水とほとんど混ざらないため成り立ちません。紫外線を吸収して瞬時に爆発するとする記述は、実際には熱がゆっくり溜まって時間をかけて温度が上がるという経過と食い違います。
問94-3

動植物油類を「乾性油」「半乾性油」「不乾性油」に分類する基準となる「ヨウ素価」とは、何を意味する数値か。

  • 油そのものが本来持っている粘り気の強さ(流動性の度合い)
  • 油そのものの酸化されやすさ(不飽和結合の多さ)の度合いのこと
  • 油の温度が発火点に達するまでに必要となる熱量(熱容量の度合い)
  • 油を実際に燃焼させた際に発生する有毒ガスの量(毒性の度合い)
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正解 油そのものの酸化されやすさ(不飽和結合の多さ)の度合いのこと
解説
油の分子内に、他の物質(酸素など)と手を結びやすい部分がどれくらいあるかを示す数値です。この数値が高い(ヨウ素価130以上)ほど、空気中で酸化して固まりやすい「乾性油(アマニ油など)」となり、酸化熱による自然発火の危険性が極めて高くなります。

他の選択肢が不適切な理由
ヨウ素価は、油100グラムに結びつくヨウ素の量をグラムで表した数値であり、油の中の二重結合の多さを示します。粘り気の強さを表すとする記述は粘度の説明、発火点までに必要な熱量とする記述は熱容量の説明であり、いずれも別の物性です。有毒ガスの発生量とする記述も、ヨウ素価が燃焼生成物の量を表す数値ではないため誤りです。
問104-3

灯油の保存容器として、JIS規格等で推奨・義務付けられている条件はどれか。

  • ガソリンと見た目での区別がつかなくなってしまうため、赤色の容器は使用禁止とされている
  • 内容物を紫外線による劣化から守るため、遮光性のある着色容器(青色または赤色等)とする
  • 静電気が発生しないように、必ず金属製の専用携行缶のみをずっと使用し続けなければならない
  • 紫外線による劣化を防ぐため、必ず二重構造の遮光容器を使用しなければならないとされる
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正解 内容物を紫外線による劣化から守るため、遮光性のある着色容器(青色または赤色等)とする
解説
灯油は紫外線によって劣化(変質して不良灯油になる)しやすいため、遮光性のある着色容器が推奨されています。関東では赤、関西では青のポリタンクが主流です。白色(水用)のポリタンクは紫外線を通すため、灯油の長期保管には向きません。また、ガソリンをポリタンクに入れることは法律で禁止されています。

試験の罠
求められているのは「遮光性のある着色」であり、「二重構造」のような特定の構造までは要求されていません。単層の着色容器で十分要件を満たします。

他の選択肢が不適切な理由
赤色の容器が使用禁止とする記述は、実際には関東で赤、関西で青の着色容器が広く使われており、事実と異なります。金属製の携行缶に限られるとする記述も、灯油は基準に適合したポリエチレン製容器での保存が認められているため誤りです。二重構造でなければならないとする記述は、求められているのが遮光性のある着色であって、構造そのものまで指定されているわけではないため適切ではありません。

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