2026年版・4-12

水溶性液体の詳細性質の一問一答

危険物乙4「危険物の性質・火災予防・消火」から、水溶性液体の詳細性質に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-12

ピリジンの消防法上の分類に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 第1石油類の非水溶性液体に分類され、指定数量は200Lである
  • アルコール類に分類され、指定数量は400Lである
  • 第1石油類の水溶性液体に分類され、指定数量は400Lである
  • 第2石油類の水溶性液体に分類され、指定数量は2,000L
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正解 第1石油類の水溶性液体に分類され、指定数量は400Lである
解説
ピリジンは引火点が約20℃と第1石油類の基準(21℃未満)に該当し、かつ水にどのような割合でも溶ける水溶性液体であるため、アセトンと同じ第1石油類(水溶性)に区分されます。水溶性の第1石油類の指定数量は非水溶性の200Lの2倍にあたる400Lです。

試験の罠
「〜ン」で終わる名前からベンゼンやトルエンのような非水溶性の芳香族炭化水素を連想しがちですが、ピリジンは水溶性である点が最大のひっかけです。個々の物質の水溶性は暗記が必須です。

他の選択肢が不適切な理由
第1石油類の非水溶性で200リットルとする記述は、ピリジンが水とどのような割合でも混ざり合う点を見落としています。アルコール類とする記述は、数量こそ同じでも、水酸基をもたない窒素を含む環状の化合物であるため品名が異なります。第2石油類の水溶性で2000リットルとする記述も、引火点がおよそ20℃と21℃を下回るため区分が合いません。
問24-12

ピリジンの性質に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 強い酸性を示し、無臭に近い液体であるとされる
  • 中性であり、金属を全く腐食させない性質を持つ
  • 水にはほとんど溶けず、油のような性質を持つとされる
  • 弱いアルカリ性(塩基性)を示し、不快な刺激臭を持つ
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正解 弱いアルカリ性(塩基性)を示し、不快な刺激臭を持つ
解説
ピリジンは分子内に窒素原子を含む複素環化合物で、弱塩基性の性質を示します。不快な刺激臭があり、微量でもその臭いに気づきやすいという特徴があります。水、エタノール、エーテルなど多くの溶媒と自由に混ざり合う水溶性液体です。

試験の罠
危険物の性質を「酸性」「中性」「アルカリ性」で問う問題は頻出ではありませんが、氷酢酸やプロピオン酸のような酸性のカルボン酸と、ピリジンのようなアルカリ性の物質を混同しないよう注意してください。

他の選択肢が不適切な理由
強い酸性で無臭に近いとする記述は、ピリジンが弱いアルカリ性を示し、しかも強い不快臭をもつ点と二重に食い違います。中性で金属を全く腐食させないとする記述も、塩基性を示すという性質と合いません。水にほとんど溶けず油のようとする記述は、水にもアルコールにもよく混ざるという最大の特徴を否定しており、消火剤の選び方まで誤らせます。
問34-12

プロピオン酸の消防法上の分類として、正しいものはどれか。

  • 第2石油類の水溶性液体
  • 第1石油類の水溶性液体
  • 第2石油類の非水溶性液体
  • 第3石油類の水溶性液体
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正解 第2石油類の水溶性液体
解説
プロピオン酸は引火点が約52℃のカルボン酸で、氷酢酸と同じく水にどのような割合でも溶ける水溶性液体です。第2石油類(水溶性)の指定数量2,000Lが適用されます。刺激臭があり、皮膚に触れると損傷を与える腐食性を持ちます。

試験の罠
氷酢酸(第2石油類・水溶性)と同じグループに属する物質として、プロピオン酸もセットで覚えておくと整理しやすくなります。

他の選択肢が不適切な理由
第1石油類とする記述は、引火点が21℃未満のものを指す区分であり、およそ52℃のプロピオン酸には当てはまりません。第2石油類の非水溶性とする記述は、区分は合っていても水とどのような割合でも混ざるという性質を見落としており、指定数量も消火剤の選定も誤らせます。第3石油類とする記述も、その区分は引火点70℃以上のものであり、数値が届きません。
問44-12

アクリル酸の貯蔵時に特に注意すべき性質として、最も適切なものはどれか。

  • 極めて揮発性が高く、常温で瞬時に全量が気化してしまう
  • 重合反応を起こしやすいため、重合防止剤を添加して保管する
  • 水に全く溶けないため、油用の消火設備のみで対応できる
  • 毒性が皆無であり、皮膚に付着しても損傷を与えないとされる
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正解 重合反応を起こしやすいため、重合防止剤を添加して保管する
解説
アクリル酸は分子内に二重結合を持つカルボン酸で、スチレンと同様に重合反応を起こしやすい性質があります。重合が進むと発熱し、密閉容器の破損につながるおそれがあるため、市販品には重合防止剤が添加されています。第2石油類の水溶性液体に区分され、強い腐食性と刺激臭を持ちます。

試験の罠
重合しやすい物質はスチレン、酸化プロピレンなど複数存在します。「重合=金属との接触が原因」と決めつけず、物質ごとに重合の原因(金属触媒によるものか、分子構造そのものによるものか)を区別して理解してください。

他の選択肢が不適切な理由
常温で瞬時に全量が気化するとする記述は、引火点が常温を上回るアクリル酸には当てはまらず、そもそも液体がその場で全部気体になることはありません。水に全く溶けないとする記述も、水とよく混ざるため通常の泡が壊れてしまうという実際の消火上の注意と正反対です。毒性が皆無とする記述も、強い腐食性があり皮膚を損なう点で明確に誤りです。
問54-12

アクリル酸の性質に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • 強い腐食性と刺激臭を持ち、皮膚に触れると損傷を与えるおそれがある
  • 水に溶ける水溶性の液体であり、火災には耐アルコール泡消火剤を用いる
  • 第2石油類に分類され、指定数量は非水溶性の2,000Lが適用される
  • 重合反応を起こしやすいため、重合防止剤を加えて保管する必要がある
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正解 第2石油類に分類され、指定数量は非水溶性の2,000Lが適用される
解説
アクリル酸は水にどのような割合でも溶ける水溶性液体であるため、第2石油類の中でも水溶性の指定数量2,000Lが適用されます(非水溶性の1,000Lではありません)。強い腐食性と刺激臭を持ち、皮膚に付着すると損傷を与えるおそれがあります。重合しやすいため重合防止剤の添加も必須です。

試験の罠
「第2石油類=1,000L」と機械的に覚えていると、水溶性か非水溶性かで数量が変わることを見落としがちです。物質ごとに水溶性の有無を必ず確認する習慣をつけてください。

他の選択肢が不適切な理由
強い腐食性と刺激臭をもち皮膚を損なうという記述は、アクリル酸の実際の性状どおりで正しい内容です。水に溶けるため耐アルコール泡を用いるという記述も、通常の泡が水分を奪われて壊れることを踏まえた正しい消火方法です。重合しやすいため防止剤を加えて保管するという記述も、発熱による容器の破損を防ぐ実務そのものであり、いずれも誤りではありません。
問64-12

プロピオン酸とアクリル酸に共通する性質の組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • どちらも炭素数1〜3のアルコールであり、アルコール類に分類される
  • どちらも水に溶けない非水溶性液体で、通常の泡消火剤が有効である
  • どちらも発火点が100℃以下の特殊引火物に分類されるもの
  • どちらもカルボン酸で水溶性であり、第2石油類に分類される
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正解 どちらもカルボン酸で水溶性であり、第2石油類に分類される
解説
両者は分子内にカルボキシ基(-COOH)を持つカルボン酸であり、水にどのような割合でも溶ける水溶性液体です。引火点はいずれも常温(20℃)を超えるため第2石油類に区分され、指定数量は水溶性の2,000Lが適用されます。刺激臭と腐食性を持つ点も共通しています。

試験の罠
「酸」という名前からアルコール類や特殊な区分を連想しないよう注意してください。カルボン酸であっても、消防法上の分類はあくまで引火点と水溶性の有無で決まります。

他の選択肢が不適切な理由
炭素数1から3のアルコールでアルコール類とする記述は、両者が水酸基ではなくカルボキシ基をもつ酸である点で成り立ちません。水に溶けない非水溶性で通常の泡が有効とする記述も、どちらも水とよく混ざるため泡が壊れてしまう点と正反対です。発火点が100℃以下の特殊引火物とする記述も、引火点が常温を上回るこれらには当てはまらない区分です。
問74-12

ピリジン(第1石油類・水溶性)と氷酢酸(第2石油類・水溶性)の違いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ピリジンは引火点21℃未満、氷酢酸は21℃以上で分類が異なる
  • ピリジンは非水溶性、氷酢酸は水溶性であるため分類が異なる
  • ピリジンは指定数量2,000L、氷酢酸は指定数量400Lである
  • ピリジンはアルコール類、氷酢酸は特殊引火物に分類される
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正解 ピリジンは引火点21℃未満、氷酢酸は21℃以上で分類が異なる
解説
どちらも水溶性液体という共通点がありますが、石油類の区分を分けるのは引火点の高低です。ピリジンは引火点約20℃で第1石油類(水溶性、指定数量400L)、氷酢酸は引火点約39℃で第2石油類(水溶性、指定数量2,000L)に区分されます。

試験の罠
「水溶性かどうか」は消火剤(耐アルコール泡が必要かどうか)を左右し、「引火点の高低」は第◯石油類のどこに区分されるかを左右します。この2つの判断軸を混同しないようにしてください。

他の選択肢が不適切な理由
ピリジンを非水溶性とする記述は、水と自由に混ざり合うという実際の性質と逆です。指定数量をピリジン2000リットル、氷酢酸400リットルとする記述は、二つの値がそっくり入れ替わっています。ピリジンをアルコール類、氷酢酸を特殊引火物とする記述も、前者は水酸基をもたず、後者は発火点も沸点も要件から大きく外れているため、どちらの品名も当てはまりません。
問84-12

プロピオン酸やアクリル酸が漏えい・火災を起こした場合の消火方法として、最も適切なものはどれか。

  • 通常のたん白泡消火剤を大量に放射して油面を覆うようにする
  • 耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤を用いる
  • 大量の水で希釈すれば安全な濃度になるため、注水のみで対応する
  • 水と激しく反応するため、乾燥砂による窒息消火のみを行う
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正解 耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤を用いる
解説
プロピオン酸やアクリル酸は水溶性であるため、通常の泡消火剤では泡が水分を奪われて壊れてしまい消火効果が得られません。アルコール類やアセトンと同様、耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)や粉末消火剤、二酸化炭素消火剤を用いる必要があります。

試験の罠
水溶性であることと「水と反応する」ことは別の概念です。プロピオン酸やアクリル酸は水と穏やかに混ざるだけで、禁水性物質のように激しく反応するわけではありません。混同しないよう注意してください。

他の選択肢が不適切な理由
通常のたん白泡を大量に放射するとする記述は、水に溶ける液体が泡の水分を吸い取って膜を壊すため、量を増やしても覆い続けられません。注水のみで安全な濃度まで薄めるとする記述も、必要な水量が現実的でなく、あふれた液が火災を広げます。水と激しく反応するとする記述は、これらが水と穏やかに混ざるだけである点で、禁水性物質と取り違えています。
問94-12

ピリジンの水への溶解性に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 水にはほとんど溶けず、水面に油膜のように広がる
  • 水と接触すると激しく発熱し、有毒ガスを発生する
  • 水に対してどのような割合でも自由に溶け合う
  • 低温の水にのみ溶け、常温の水には溶けない
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正解 水に対してどのような割合でも自由に溶け合う
解説
ピリジンは極性を持つ分子構造から、水やエタノール、エーテルなど多くの溶媒とよく混ざり合う性質を持っています。この高い水溶性のため、第1石油類の中でもアセトンと同様に「水溶性」の区分(指定数量400L)が適用されます。

試験の罠
「よく溶ける=安全」ではありません。ピリジンは水によく溶けても引火点は約20℃と低いままであり、火災のリスクそのものは軽減されない点に注意してください。

他の選択肢が不適切な理由
ほとんど溶けず水面に油膜のように広がるとする記述は、水と自由に混ざり合うという性質と正反対で、消火剤の選び方まで誤らせます。水と接触して激しく発熱し有毒ガスを出すとする記述も、禁水性の物質に見られる反応であり、ピリジンには当てはまりません。低温の水にだけ溶けるとする記述も、温度にかかわらずどのような割合でも混ざるため成り立ちません。
問104-12

ピリジン、アセトン、アクリル酸などの水溶性液体に共通する火災時の注意点として、正しいものはどれか。

  • 水に溶けるため、いずれも大量の注水による希釈消火が最も確実である
  • 耐アルコール泡消火剤は、非水溶性の油火災には効果がなく使用できない
  • 水溶性であるため、指定数量は非水溶性よりも常に小さく設定されている
  • 通常の油火災用泡消火剤では泡が壊れるため、耐アルコール泡を用いる
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正解 通常の油火災用泡消火剤では泡が壊れるため、耐アルコール泡を用いる
解説
ピリジン、アセトン、アクリル酸などの水溶性液体は、通常の油火災用泡消火剤をかけると泡の水分を奪い取って泡を破壊してしまい(消泡現象)、窒息効果が得られません。そのため専用の耐アルコール泡消火剤や、粉末・二酸化炭素消火剤を用いる必要があります。

試験の罠
耐アルコール泡消火剤は、水溶性液体用に泡が壊れにくく改良されたものであり、ガソリンなど非水溶性の油火災にも問題なく使用できます(何にでも対応できる万能型の泡というイメージです)。「水溶性専用だから非水溶性には使えない」という思い込みは誤りです。また水溶性の物質は、非水溶性の同じ石油類区分と比べて指定数量が「2倍」に設定されている点も押さえておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
大量の注水による希釈が最も確実とする記述は、引火しなくなる濃度まで薄めるのに膨大な水が必要で、あふれた液が火災を広げるため現実的ではありません。耐アルコール泡が非水溶性の油火災に使えないとする記述も、この泡は水に溶けない油の火災にも問題なく使える点で誤りです。指定数量が常に小さいとする記述も、水溶性のものは同じ区分の非水溶性の2倍に設定されています。

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