2026年版・4-10

事故時の応急措置の一問一答

危険物乙4「危険物の性質・火災予防・消火」から、事故時の応急措置に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-10

第4類危険物が地上に流出した場合の初期対応として、最も優先すべき措置はどれか。

  • 流出量を正確に計測し、記録を作成してから対応を始める
  • 流出した危険物に大量の水をかけ、濃度を薄めてしまう
  • 周囲の火気を直ちに取り除き、着火源を完全に排除する
  • 流出箇所の写真を撮影し、原因の調査を最優先で開始する
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正解 周囲の火気を直ちに取り除き、着火源を完全に排除する
解説
危険物が流出すると、液面から可燃性蒸気が急速に発生し、空気より重い蒸気が地面を這って広がります。この状態でわずかな火花でもあれば直ちに引火し、火災に発展します。したがって流出時の応急措置は次の順序で行います。
1. 着火源の排除(火気の使用中止、電気設備の停止、車両の進入禁止)
2. 関係者への通報と周囲への周知、避難
3. 流出の停止(バルブの閉鎖、漏えい箇所の応急閉塞)
4. 拡散の防止(土のう、オイルフェンス、堤の設置)
5. 回収(乾燥砂、吸着材による吸収、密閉容器での回収)

試験の罠
記録や写真撮影、原因調査は事後に行うべきことで、初期対応ではありません。また水をかけて薄めるのは、非水溶性の第4類では水面に浮いて拡散を助長するだけであり、逆効果です。

他の選択肢が不適切な理由
流出量を計測して記録を作る、あるいは写真を撮って原因調査を始めるという記述は、いずれも安全が確保されたあとに行う事後の作業であり、引火を防ぐ初期対応にはなりません。大量の水で薄めるという記述も、水に溶けず水より軽い液体では水面に浮いて広がるだけで、蒸気の発生を止められないうえ、汚染の範囲を広げてしまいます。
問24-10

少量の第4類危険物が床面に流出した場合の処理方法として、最も適切なものはどれか。

  • 乾燥砂やおがくずに吸収させ、密閉容器に入れて回収する
  • ほうきで掃き集めたうえで、そのまま可燃ごみとして廃棄する
  • 大量の水で洗い流したうえで、排水溝から下水へ流してしまう
  • 自然に蒸発するまで、そのまま放置して様子を見る
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正解 乾燥砂やおがくずに吸収させ、密閉容器に入れて回収する
解説
流出した危険物は、乾燥砂、吸着マット、おがくず、活性白土などに吸収させて回収します。回収したものは可燃性蒸気を発生し続けるため、ふた付きの不燃性容器に入れて密閉し、指定の方法で処分します。
作業中も可燃性蒸気が発生しているため、換気を行い、火気を排除し、静電気の発生しにくい工具や保護具を用いる必要があります。

試験の罠
油を吸ったおがくずをそのまま可燃ごみとして放置すると、表面積が大きくなり自然発火の危険が生じます。また水で流せば下水管内で蒸気がたまり爆発の危険があり、環境汚染にもなります。放置すれば蒸気が広がり続けるため、いずれも不適切です。

他の選択肢が不適切な理由
ほうきで掃き集めて可燃ごみとして捨てるとする記述は、油を含んだごみが空気と触れる面積の大きい状態で放置され、自然発火の原因になります。大量の水で洗い流して下水へ流すとする記述も、下水管の中で蒸気がたまって爆発する危険があり、環境の汚染にもつながります。蒸発するまで放置するとする記述は、その間ずっと可燃性蒸気が広がり続けるため最も危険です。
問34-10

第4類危険物が河川や海に流出した場合の措置として、正しいものはどれか。

  • 洗剤を大量に投入し、水面に薄く広く分散させてしまう
  • 水面上で燃やして処理し、危険物を完全に消してしまう
  • オイルフェンスで拡散を防ぎ、吸着材などで回収する
  • 自然に分解されるまで待ち、特に措置は行わずにおく
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正解 オイルフェンスで拡散を防ぎ、吸着材などで回収する
解説
第4類危険物の多くは水に溶けず比重が1より小さいため、水面に薄い膜となって広がります。放置すると広範囲に拡散し、回収が困難になるだけでなく、水面上で可燃性蒸気を発生させ火災の危険も生じます。
そのためまずオイルフェンスを展張して拡散を食い止め、その内側で油吸着材や回収装置により回収します。あわせて消防機関・海上保安機関などへの通報が必要です。

試験の罠
分散剤や洗剤で薄く広げることは、見た目の油膜を消すだけで危険物が回収されるわけではなく、原則としてまず回収を試みます。また水面で燃やす行為は火災を意図的に起こす行為であり、応急措置として認められません。二硫化炭素やクロロベンゼンのように比重が1より大きく水に沈むものもある点にも注意が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
洗剤を大量に投入して薄く広げるとする記述は、見た目の油膜が消えるだけで危険物そのものは回収されず、回収を先に試みるという原則に反します。水面上で燃やして処理するとする記述は、火災を意図的に起こす行為であり応急措置として認められません。自然に分解されるまで待つとする記述も、その間に拡散して回収が困難になり、火災の危険も残るため適切ではありません。
問44-10

油タンク火災における「スロップオーバー」と呼ばれる現象の説明として、正しいものはどれか。

  • タンク底部の水が長時間の加熱で沸騰し、油を噴出させる現象
  • 高温の油面に注水した水が急激に沸騰し、油があふれ出す現象
  • タンク内の蒸気が燃焼範囲に達し、内部で爆発を起こす現象
  • タンクの側板が腐食して穴があき、油が流出してしまう現象
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正解 高温の油面に注水した水が急激に沸騰し、油があふれ出す現象
解説
燃焼中の重油などの液温は水の沸点100℃をはるかに超えています。そこへ消火用の水が注がれると、水が瞬時に水蒸気となり体積が約1,700倍に膨張します。この爆発的な膨張により、燃えている油が飛沫となって周囲に飛び散ります。これがスロップオーバーです。
これに対しボイルオーバーは、タンク底部にたまっていた水が、上から降りてきた高温層(熱波)によって加熱されて沸騰し、上部の油を巻き込みながら爆発的に噴出する現象です。長時間の燃焼の後に突然起こる点が特徴です。

試験の罠
2つの現象は名前も原因も似ていますが、水の位置が違います。スロップオーバーは「上からかけた水」、ボイルオーバーは「底にたまっていた水」と区別してください。どちらも重質油火災に注水してはならない理由になります。

他の選択肢が不適切な理由
タンク底部の水が長時間の加熱で沸騰して油を噴き上げるとする記述は、水がもとから底にたまっていた場合の別の現象を述べたものです。蒸気が燃焼範囲に達して内部で爆発するとする記述は、気相部での爆発であり、油があふれ出す仕組みとは異なります。側板が腐食して穴があき油が流れ出すとする記述は、設備の劣化による漏えいであって、消火作業中に起こる現象ではありません。
問54-10

移動タンク貯蔵所(タンクローリー)が横転し、危険物が漏えいした場合の措置として、誤っているものはどれか。

  • 直ちに消防機関に通報し、周囲の交通を規制してもらう
  • 周囲の火気を排除し、付近の住民や通行人を避難させる
  • 流出防止のため、土のうなどで拡散を食い止める
  • エンジンをかけたまま車両を移動させ、道路を確保する
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正解 エンジンをかけたまま車両を移動させ、道路を確保する
解説
移動タンク貯蔵所の事故では、次の措置が求められます。
1. 直ちに消防機関・警察へ通報する
2. 火気の排除と周囲への警戒、避難誘導
3. 応急措置として漏えいの停止、土のう等による流出拡大の防止
4. 乾燥砂や吸着材による回収
移動タンク貯蔵所には、応急措置に必要な資機材(消火器等)の備付けと、危険物取扱者の乗車が義務付けられています。

試験の罠
可燃性蒸気が充満している状況でエンジンや電装品を作動させると、その火花が点火源になります。「交通の妨げになるから早く動かす」という判断は、危険物事故ではしてはならない典型例です。人命の安全と着火源の排除が常に優先します。

他の選択肢が不適切な理由
直ちに消防機関へ通報し交通を規制してもらうという記述は、二次災害を防ぐうえで最初に行うべき正しい措置です。火気を排除して付近の人を避難させるという記述も、地面を這って広がる蒸気への引火を防ぐために欠かせません。土のうなどで流出の拡大を食い止めるという記述も、回収を容易にし被害を限定するための基本であり、いずれも誤りではありません。
問64-10

給油作業中の静電気による火災を防ぐための行動として、最も適切なものはどれか。

  • 給油前に、静電気除去シートなどに触れて人体の電荷を逃がす
  • 給油中に一度車内に戻り、暖房で体を温めてから作業を続ける
  • 化学繊維の上着を着用し、袖口をこすってから給油を始める
  • 給油ノズルをタンクから離した状態で、勢いよく給油を行う
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正解 給油前に、静電気除去シートなどに触れて人体の電荷を逃がす
解説
セルフ式の給油取扱所では、人体に帯電した静電気が給油口付近で放電し、ガソリン蒸気に引火する事故が実際に発生しています。特に空気が乾燥する冬季に多く見られます。
防止策としては次のものがあります。
1. 給油前に静電気除去シート(除電パッド)に素手で触れる
2. 給油中に車内に戻らない(座席との摩擦で再び帯電するため)
3. 給油ノズルを給油口に確実に差し込み、飛沫の発生を抑える
4. 帯電しにくい木綿の衣類を選ぶ

試験の罠
給油の途中で車内に戻る行為は、再帯電を招くため危険とされています。また化学繊維の衣服は帯電しやすく、こすればさらに電荷がたまります。ノズルを離して勢いよく注ぐと飛沫と摩擦で静電気が増え、蒸気も拡散して極めて危険です。

他の選択肢が不適切な理由
給油の途中で車内に戻るとする記述は、座席との摩擦で再び体に電気がたまり、給油口の近くで放電するおそれがあるため危険です。化学繊維の上着を着て袖口をこするとする記述は、帯電しやすい素材をわざと摩擦するもので、静電気を増やす行為そのものです。ノズルを離して勢いよく注ぐとする記述も、飛沫と摩擦で帯電が進み、蒸気も周囲に広がるため極めて危険です。
問74-10

使用済みの危険物タンク内部で溶接作業を行う際の事故を防ぐ措置として、最も適切なものはどれか。

  • タンク内の残油をそのままにして、短時間で作業を終わらせること
  • タンクのふたを閉め、内部を密閉した状態で作業を実施する
  • タンク内を洗浄・換気し、可燃性蒸気の濃度を測定して確認する
  • タンク内に水を張らず、内部を乾燥させてから直ちに着手する
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正解 タンク内を洗浄・換気し、可燃性蒸気の濃度を測定して確認する
解説
空になったタンクでも、内壁に付着した残油や底部の残液から可燃性蒸気が発生し続けており、内部は燃焼範囲に達していることがあります。そこへ溶接やガス切断の火気を持ち込むと、爆発事故につながります。実際にこの種の事故は繰り返し発生しています。
作業前には次の措置が必要です。
1. 残油の完全な抜き取りと内部の洗浄
2. 十分な換気(低所からの排出)
3. 可燃性蒸気濃度の測定による安全確認
4. 必要に応じ、窒素などの不活性ガスを封入して酸素濃度を下げる
5. 作業中も継続的な換気と監視を行う

試験の罠
「空のタンクだから安全」は最も危険な思い込みです。むしろ液体が抜けて気相部が広がった状態は、蒸気濃度が燃焼範囲に入りやすく、満タンの状態より危険な場合があります。

他の選択肢が不適切な理由
残油をそのままにして短時間で終わらせるとする記述は、内壁に残った油から蒸気が出続けている状態で火気を持ち込むことになり、爆発に直結します。ふたを閉めて密閉した状態で作業するとする記述も、蒸気が逃げず濃度が燃焼範囲に入りやすくなるため逆効果です。乾燥させてから直ちに着手するとする記述も、蒸気の濃度を測って安全を確かめる手順が抜けています。
問84-10

屋外で流出した第4類危険物からの引火を防ぐための措置として、最も適切なものはどれか。

  • 流出面に泡消火剤を放射して覆い、蒸気の発生を抑制する
  • 扇風機で風を送り、流出した液体を早く乾燥させてしまう
  • 流出面に布をかぶせ、上から重石を置いて押さえておく
  • 流出面に大量の水を放射し、濃度を薄めて蒸気の発生を抑える
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正解 流出面に泡消火剤を放射して覆い、蒸気の発生を抑制する
解説
泡消火剤は、燃えている油面を覆う窒息消火だけでなく、まだ燃えていない流出油の液面を覆って蒸気の放出を抑える「蒸気抑制」の目的でも使用されます。これにより周囲の蒸気濃度が燃焼範囲に達するのを防ぎ、引火の危険を低減できます。
あわせて、着火源の排除、土のう等による拡散防止、吸着材による回収を並行して行います。

試験の罠
送風して蒸発を促す行為は、可燃性蒸気を周囲に広げるだけで極めて危険です。第4類危険物の多くは水に溶けず水より軽いため、大量注水しても液面に水が浮くだけで蒸気の発生を抑える効果はなく、むしろ油を押し流して被害を拡大させます。布をかぶせても浸透して大きな表面積を持つ可燃物になり、かえって危険が増します。「蒸気を出させない」という方向で判断してください。

他の選択肢が不適切な理由
扇風機で風を送って早く乾かすとする記述は、蒸発を促して可燃性蒸気を周囲へ広げるだけで、引火の範囲を拡大させます。布をかぶせて重石を置くとする記述も、布に染み込んだ油は空気と触れる面積が大きくなり、かえって燃えやすい状態を作ります。大量の水を放射するとする記述も、水に溶けず水より軽い液体では液面に浮くだけで、蒸気の発生を止められません。
問94-10

第4類危険物が人体に付着または吸入された場合の応急措置として、誤っているものはどれか。

  • 皮膚に付着した場合は、直ちに大量の水と石けんで洗い流す
  • 蒸気を吸入した場合は、直ちに空気の新鮮な場所へ移動させる
  • 目に入った場合は、清浄な水で十分に洗浄し医師の診察を受ける
  • 付着した衣類はそのまま着て、乾いて蒸発するのを待つこと
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正解 付着した衣類はそのまま着て、乾いて蒸発するのを待つこと
解説
第4類危険物は油脂を溶かす性質があり、皮膚に触れると脱脂や炎症を起こします。またベンゼンやメタノールのように、皮膚から吸収されて全身中毒を起こすものもあります。応急措置は次のとおりです。
1. 皮膚に付着…直ちに大量の水と石けんで洗い流す
2. 目に入った…清浄な水で15分程度洗い流し、医師の診察を受ける
3. 蒸気を吸入…直ちに新鮮な空気の場所へ移し、安静にして保温する。必要に応じ医師の手当を受ける
4. 付着した衣類…直ちに脱いで着替える

試験の罠
危険物のしみ込んだ衣類を着たままでいると、皮膚への接触が続くだけでなく、衣類自体が可燃物となって着火の危険が生じます。乾くのを待つ間に蒸気が発生し続けるため、放置は最も危険な対応です。

他の選択肢が不適切な理由
皮膚に付着したら大量の水と石けんで洗い流すという記述は、脱脂や皮膚からの吸収を防ぐための正しい措置です。蒸気を吸ったら新鮮な空気の場所へ移すという記述も、中毒の進行を止めるうえで最初に行うべき対応です。目に入ったら清浄な水で十分に洗い医師の診察を受けるという記述も、角膜の損傷を防ぐために必要であり、いずれも誤りではありません。
問104-10

危険物施設で火災が発生した際の初期消火の判断として、最も適切なものはどれか。

  • 火勢が天井に達しても、消火器で最後まで消火を続ける
  • 自らの退路を確保したうえで、消火器等により初期消火を行う
  • 初期消火は行わず、必ず消防隊の到着を待つのが原則である
  • 火が小さいうちは通報せず、消火してから後で報告すればよい
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正解 自らの退路を確保したうえで、消火器等により初期消火を行う
解説
火災時は「通報」「避難誘導」「初期消火」を並行して行いますが、人命の安全が最優先です。初期消火に当たっては、必ず自分の背後に出口がある位置に立ち、いつでも退避できる態勢を保ちます。
また、火勢が天井に達したり、煙が充満して視界が悪くなったりした段階では、初期消火の限界とされます。この場合は無理をせず、直ちに退避して消防隊に引き継ぐ判断が必要です。

試験の罠
「最後まで消す」という判断は、逃げ道を失って死亡する事故につながります。逆に「必ず消防隊を待つ」も誤りで、初期段階での消火は被害拡大の防止に極めて有効です。また通報は火の大小にかかわらず直ちに行う必要があり、後回しにしてはなりません。

他の選択肢が不適切な理由
火勢が天井に達しても消火を続けるとする記述は、退路を失って逃げ遅れる危険が大きく、初期消火の限界を超えています。必ず消防隊の到着を待つとする記述も、火が小さいうちの消火が被害の拡大を防ぐ効果を無視しており、原則としては誤りです。火が小さいうちは通報しないとする記述は、消防隊の到着が遅れる原因になり、大きさにかかわらず直ちに通報すべき点に反します。

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