2026年版・3-6

物理計算(熱量等)の一問一答

危険物乙4「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から、物理計算(熱量等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-6

【熱量の計算(Q=mcΔT)】
20℃の水 500g を加熱して 80℃にしたい。必要な熱量は何 J(ジュール)か。ただし、水の比熱は 4.2 J/(g・K) とする。

  • 42,000 J
  • 84,000 J
  • 126,000 J
  • 168,000 J
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正解 126,000 J
解説
熱量の計算式 Q = mcΔT(熱量 = 質量 × 比熱 × 温度変化)を使います。
・質量 m = 500 g
・比熱 c = 4.2 J/(g・K)
・温度変化 ΔT = 80 - 20 = 60 K(※1℃の上昇と1Kの上昇は同じ幅です)
Q = 500 × 4.2 × 60 = 126,000 J。
消火の際に水がどれだけの熱を奪うかを計算する基礎となります。

他の選択肢が不適切な理由
42000という値は、温度の差ではなく最初の温度をそのまま掛けた場合に出てきます。168000という値は、逆に最後の温度をそのまま掛けた場合の答えです。84000という値は、温度の差を実際より小さく見積もった場合に当たります。この式で掛けるのは、あくまで温度がいくつ上がったかという差の分であり、温度そのものではありません。
問23-6

【比熱の比較計算】
同じ質量(100g)の水と油がある。水の比熱は 4.2 J/(g・K)、油の比熱は 2.1 J/(g・K) である。同じ火力のバーナーで加熱した場合、油の温度が20℃上がる間に、水の温度は何℃上がるか。ただし、熱はすべて液体に吸収されるものとする。

  • 10 ℃
  • 20 ℃
  • 40 ℃
  • 80 ℃
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正解 10 ℃
解説
油の比熱(2.1)は水(4.2)の半分です。比熱が小さいということは、少ない熱で簡単に温度が上がる(温まりやすい)ことを意味します。
同じ熱量を与えた場合、温まりにくい水は、油の「半分」しか温度が上がりません。
したがって、油が20℃上がる間に、水はその半分の 10℃ しか上がりません。
油は水よりも熱しやすく冷めやすい性質があります。

他の選択肢が不適切な理由
油と同じだけ上がるとする答えは、温まりやすさの違いを計算に入れていません。40度や80度とする答えは、温まりにくいほうが大きく上がるという逆の結果になっています。同じ熱を与えたとき、1度上げるのに多くの熱を要する側は温度が上がりにくくなるため、この場合の水の上がり方は油の半分にとどまります。
問33-6

【熱容量の計算】
質量 200g、比熱 0.4 J/(g・K) の銅でできた容器がある。この容器全体の温度を1℃上げるのに必要な熱量(熱容量)はいくらか。

  • 0.002 J/K
  • 80 J/K
  • 200 J/K
  • 500 J/K
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正解 80 J/K
解説
熱容量(物全体を1℃温めるのに必要な熱量)は、以下の式で求まります。
熱容量(C) = 質量(m) × 比熱(c)
C = 200 g × 0.4 J/(g・K) = 80 J/K。
この容器の温度を10℃上げるなら、80 × 10 = 800 J の熱が必要ということです。

他の選択肢が不適切な理由
0.002という値は、掛け算ではなく割り算をした場合に出てくる数です。200という値は、質量をそのまま答えたもので、温まりにくさを表す値を掛けていません。500という値は、質量を温まりにくさの値で割った場合に当たります。物全体を1度上げるのに要する熱は、質量と、1グラムあたりに要する熱の積で求まります。
問43-6

【密度の計算】
ある液体危険物がタンクに 50L(リットル)入っており、その液体の質量を量ると 40kg であった。この液体の密度(g/cm³)はいくらか。

  • 0.8 g/cm³
  • 1.0 g/cm³
  • 1.25 g/cm³
  • 8.0 g/cm³
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正解 0.8 g/cm³
解説
密度 = 質量 ÷ 体積 です。単位を合わせるのがポイントです。
・質量 40kg = 40,000 g
・体積 50L = 50,000 cm³ (1L = 1,000 cm³)
密度 = 40,000 ÷ 50,000 = 0.8 g/cm³。
水の密度(約1.0)より小さいため、この液体(灯油などに相当)は水に浮くことが計算からも分かります。

他の選択肢が不適切な理由
1.0という値は水と同じ重さということになり、与えられた質量と体積の関係と合いません。1.25という値は、質量と体積を入れ替えて割った場合に出てきます。8.0という値は、リットルと立方センチメートルの換算を一桁取り違えた場合の数です。求めるのは体積あたりの質量なので、質量を体積で割ります。
問53-6

【液体の比重計算】
密度が 0.9 g/cm³ の液体がある。4℃の純水(密度 1.0 g/cm³)を基準とした場合、この液体の比重はいくらか。

  • 0.9
  • 1.0
  • 1.1
  • 9.0
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正解 0.9
解説
比重とは「基準となる物質(水)の密度の何倍か」を表す数値です。
液体の比重 = その液体の密度 ÷ 水の密度
比重 = 0.9 ÷ 1.0 = 0.9。
単位(g/cm³)同士を割り算するため、比重には単位がありません。単なる倍率です。

他の選択肢が不適切な理由
1.0という値は水と同じということになり、与えられた数値と合いません。1.1という値は、割る向きを逆にした場合に近い数です。9.0という値は、桁を一つ取り違えた場合に出てきます。基準となる水の値がちょうど1なので、この場合は割っても値が変わらず、そのまま倍率として読み取れます。
問63-6

【合金の密度計算】
密度が 8 g/cm³ の金属Aが 20cm³ と、密度が 4 g/cm³ の金属Bが 30cm³ ある。これを溶かして混ぜ合わせ、均一な合金を作った。この合金の密度はいくらになるか。ただし、混ぜ合わせた際の体積変化はないものとする。

  • 5.6 g/cm³
  • 6.0 g/cm³
  • 6.4 g/cm³
  • 12.0 g/cm³
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正解 5.6 g/cm³
解説
全体の質量を全体の体積で割って求めます。単純に密度を足して2で割ってはいけません。
1. 金属Aの質量:8 g/cm³ × 20 cm³ = 160 g
2. 金属Bの質量:4 g/cm³ × 30 cm³ = 120 g
3. 全体の質量:160 + 120 = 280 g
4. 全体の体積:20 + 30 = 50 cm³
合金の密度 = 280 g ÷ 50 cm³ = 5.6 g/cm³。

他の選択肢が不適切な理由
6.0という値は、二つの値を単純に足して2で割った平均です。量の違う二つを混ぜるので、平均では正しく求まりません。6.4という値は、掛け合わせる体積を取り違え、重いほうに多い体積を当てはめた場合に出てきます。12.0という値は二つを足しただけの数です。全体の質量を全体の体積で割るという手順で求めます。
問73-6

【体積膨張の計算】
20℃のとき体積が 1000L のガソリンがある。温度が 40℃に上がったとき、体積は何L増加するか。ただし、ガソリンの体積膨張率を 0.0013 (1/K) とする。

  • 2.6 L
  • 13 L
  • 26 L
  • 52 L
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正解 26 L
解説
増加する体積の計算式「ΔV = 元の体積 × 体積膨張率 × 温度変化」を用います。
・元の体積 = 1000 L
・体積膨張率 = 0.0013
・温度変化 = 40 - 20 = 20 K
ΔV = 1000 × 0.0013 × 20 = 26 L。
温度が20度上がるだけでドラム缶1/8本分も体積が増えるため、容器に空間容積を空けておかないと破裂・漏洩してしまいます。

他の選択肢が不適切な理由
2.6という値は、温度の上がり幅をひとけた小さく見積もった場合に出てきます。13という値は、上がり幅を半分に取った場合の答えです。52という値は、温度の差ではなく上がったあとの温度をそのまま掛けた場合に当たります。ここで掛けるのは、いくつ上がったかという差の分です。
問83-6

【気化熱(潜熱)の計算】
100℃の熱湯 10g が、すべて100℃の水蒸気になるとき、周囲から奪う熱量(気化熱)はいくらか。ただし、水の蒸発熱(潜熱)を 2260 J/g とする。

  • 226 J
  • 4,520 J
  • 22,600 J
  • 226,000 J
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正解 22,600 J
解説
温度変化を伴わず、状態変化(液体→気体)だけに使われる熱を「潜熱」といいます。計算は「質量 × 蒸発熱」です。
Q = 10 g × 2260 J/g = 22,600 J。
わずか10g(大さじ1杯弱)の水が蒸発するだけで、これほど莫大な熱を火災現場から奪い取ります。これが水の消火能力の真髄です。

他の選択肢が不適切な理由
226という値は、掛けるところを割ってしまった場合に出てきます。4520という値は、質量を実際より少なく見積もった場合の答えです。226000という値は、質量をひとけた多く取った場合に当たります。ここでは温度は変わらず、状態が変わることだけに熱が使われるので、質量と1グラムあたりの熱の積で求まります。
問93-6

【熱伝導の比較】
熱の伝わりやすさ(熱伝導率)に関する一般的な大小関係として、正しいものはどれか。

  • 気体 > 液体 > 固体(金属)
  • 固体(金属) > 気体 > 液体
  • 固体(金属) > 液体 > 気体
  • 液体 > 固体(金属) > 気体
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正解 固体(金属) > 液体 > 気体
解説
熱伝導は、隣り合う分子が振動を伝えることで熱が移動する現象です。したがって、分子がぎっしり詰まっている「固体(特に自由電子を持つ金属)」が最も早く熱を伝え、分子がスカスカに離れている「気体(空気など)」は最も熱を伝えにくくなります。
羽毛布団や発泡スチロールが暖かいのは、この「熱を伝えない空気」を大量に含んだ断熱材だからです。

他の選択肢が不適切な理由
気体を最も熱を伝えやすい側に置く記述は、実際と逆です。分子どうしが遠く離れているため、熱を受け渡す機会が少なくなります。固体を先頭に置きながら液体と気体の順を入れ替えた記述も誤りで、液体のほうが分子が近くにあるぶんよく伝えます。液体を固体より前に置く記述も、分子がぎっしり詰まった固体の伝わりやすさを説明できません。
問103-6

【混合温度の計算】
80℃の熱湯 100g と、20℃の水 200g を混ぜ合わせた。熱は外部に逃げないものとした場合、混ざった後の全体の温度(平衡温度)はいくらになるか。

  • 30 ℃
  • 40 ℃
  • 50 ℃
  • 60 ℃
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正解 40 ℃
解説
「熱湯が失った熱量 = 水が得た熱量」の方程式を立てます。求める温度を t ℃ とします。
・熱湯が失う熱量:100g × 4.2 × (80 - t)
・水が得る熱量:200g × 4.2 × (t - 20)
比熱(4.2)は両辺で消去できるため、質量と温度差だけで計算できます。
100 × (80 - t) = 200 × (t - 20)
8000 - 100t = 200t - 4000
300t = 12000
t = 40 ℃。
質量の多い冷水の方に温度が引っ張られます。

他の選択肢が不適切な理由
50度という答えは二つの温度をそのまま平均したもので、量の違いを数えていません。60度という答えは、量の重みを逆に当てはめ、熱いほうの水が多かったものとして計算した場合に出てきます。30度という答えは冷たい側に寄せすぎです。量の多い側の温度に近づくため、この場合は真ん中より低い温度に落ち着きます。

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