2026年版・3-5

物理計算(気体の法則)の一問一答

危険物乙4「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から、物理計算(気体の法則)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-5

【ボイルの法則】
温度を一定に保ったまま、1気圧(1atm)で体積が 300L の気体を圧縮し、圧力を 3気圧(3atm)にした。このときの気体の体積はいくらか。

  • 100 L
  • 300 L
  • 600 L
  • 900 L
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正解 100 L
解説
ボイルの法則「温度一定のとき、気体の体積は圧力に反比例する(P1 × V1 = P2 × V2)」を用います。
・元の状態:圧力 1atm × 体積 300L = 300
・圧縮後:圧力 3atm × 体積 V L = 300
したがって、V = 300 ÷ 3 = 100 L となります。
圧力が3倍になれば、押しつぶされて体積は1/3になります。

他の選択肢が不適切な理由
300リットルのままとする答えは、圧力を上げても体積が変わらないことになり、押し縮められるという気体の性質と食い違います。600リットルや900リットルとする答えは、圧力を上げたのに体積が2倍や3倍に増えている計算で、向きが逆です。圧力を3倍にしたのですから、体積はその逆数の3分の1になります。
問23-5

【シャルルの法則】
圧力を一定に保ったまま、27℃で体積が 10L の気体を加熱し、温度を 87℃にした。このときの気体の体積はいくらか。

  • 8.3 L
  • 12 L
  • 20 L
  • 32 L
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正解 12 L
解説
シャルルの法則「圧力一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例する(V1 / T1 = V2 / T2)」を用います。計算前に必ず℃を絶対温度(K)に直します。
・元の温度:27 + 273 = 300 K
・加熱後温度:87 + 273 = 360 K
温度が 360/300 = 1.2倍 になったので、体積も1.2倍になります。
10 L × 1.2 = 12 L。

他の選択肢が不適切な理由
8.3リットルという答えは、温度の比を逆さまに当てはめたもので、加熱したのに縮む結果になっています。20リットルという答えは体積を2倍にしたもので、そこまで温度は上がっていません。32リットルという答えは、摂氏の数値だけで比を取って約3.2倍としたものです。温度の比は、摂氏に273を足した目盛りで取らなければ正しく求まりません。
問33-5

【ボイル・シャルルの法則】
27℃、1気圧で体積が 60L の気体がある。この気体を 127℃、2気圧の状態にした場合、気体の体積はいくらになるか。

  • 30 L
  • 40 L
  • 80 L
  • 120 L
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正解 40 L
解説
ボイル・シャルルの法則「(P1 × V1) / T1 = (P2 × V2) / T2」を用います。
・元の絶対温度 T1:27 + 273 = 300 K
・変更後絶対温度 T2:127 + 273 = 400 K
式に代入すると、
(1 × 60) / 300 = (2 × V) / 400
0.2 = 2V / 400
2V = 80
V = 40 L となります。温度上昇で膨らむ力より、圧力で押しつぶす力の方が大きかったため、結果的に体積は減りました。

他の選択肢が不適切な理由
30リットルという答えは、圧力が2倍になったことだけを見て半分にし、温度が上がった分を数えていません。80リットルという答えは逆に、温度の比だけを当てはめて圧力の影響を落としています。120リットルという答えは、圧力の効き方を膨らむ向きに取り違えたものです。押し縮める働きと膨らませる働きの両方を同時に当てはめる必要があります。
問43-5

【理想気体の状態方程式】
理想気体の状態方程式「 PV = nRT 」において、各記号が表す物理量の組み合わせとして誤っているものはどれか。

  • P:圧力 (Pressure) を意味している記号のこと
  • V:体積 (Volume) を必ず正確に意味しているという記号のこと
  • n:気体の分子量 (Molecular weight) を表す記号
  • T:絶対温度 (Temperature) を意味する記号のこと
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正解 n:気体の分子量 (Molecular weight) を表す記号
解説
PV = nRT の構成は以下の通りです。
・P = 圧力
・V = 体積
・n = 物質量(モル数) ※分子量(M)や質量(w)ではありません。n = w/M です。
・R = 気体定数
・T = 絶対温度

試験の罠
記号の意味を問う基礎的な問題ですが、n(モル数)とM(分子量)を引っかける問題が多いです。

他の選択肢が不適切な理由
圧力、体積、絶対温度を表す三つの記号については、いずれも正しく対応しているため、誤りとしては選べません。誤っているのは、粒の個数のまとまりを表す記号を、一つひとつの粒の重さを表す量だと説明している点です。この二つは、全体の重さをその粒の重さで割ると個数のまとまりが求まるという関係にあり、まったく別の量です。
問53-5

【蒸気比重の計算】
ある可燃性ガスの分子量は 58 である。空気の平均分子量を 29 とした場合、このガスの蒸気比重はいくらか。

  • 0.5
  • 1.0
  • 2.0
  • 4.0
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正解 2.0
解説
気体の重さ(蒸気比重)は、同じ体積(例えば22.4L)の重さの比で決まります。つまり「そのガスの分子量 ÷ 空気の平均分子量」で簡単に求まります。
蒸気比重 = 58 ÷ 29 = 2.0。
空気の2倍の重さがあるため、床付近に滞留しやすい危険なガス(ブタンなど)であることがわかります。

他の選択肢が不適切な理由
0.5という答えは、割る数と割られる数を入れ替えたもので、空気より軽いという逆の結論になってしまいます。1.0という答えは、空気とちょうど同じ重さということになり、与えられた数値の関係と合いません。4.0という答えは、求めた比をさらに2倍にした形で、計算の途中を重ねてしまった場合に出てくる値です。
問63-5

【気体の膨張】
密閉された頑丈な金属製タンク内に、27℃で 2気圧 の気体が入っている。火災によりタンクが加熱され、内部の気体の温度が 327℃ に達した。タンクの体積が変化しないものとした場合、内部の圧力はいくらになるか。

  • 2 気圧
  • 4 気圧
  • 6 気圧
  • 8 気圧
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正解 4 気圧
解説
体積が一定の密閉容器内では、圧力は絶対温度に比例します(シャルルの法則の応用)。
・元の温度:27 + 273 = 300 K
・加熱後温度:327 + 273 = 600 K
絶対温度が 300K → 600K と 2倍 になりました。
体積が膨らめないため、そのエネルギーはすべて内部の圧力上昇に使われます。
圧力も 2気圧 × 2 = 4気圧 になります。これがタンク破裂の原因です。

他の選択肢が不適切な理由
2気圧のままとする答えは、温めても圧力が変わらないことになり、密閉した容器が火災で破裂する現象を説明できません。6気圧や8気圧とする答えは、温度が3倍や4倍になったと見積もった場合の値です。273を足した目盛りで比べると、上がり方はちょうど2倍にあたるため、体積が変えられない容器の中では圧力も同じ割合で上がります。
問73-5

【分圧の法則】
同一の容器内に、圧力 2atm の酸素ガスと、圧力 3atm の窒素ガスを混合して入れた。この混合気体の全圧力(全体の圧力)はいくらになるか。

  • 1.5 atm
  • 2.5 atm
  • 5.0 atm
  • 6.0 atm
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正解 5.0 atm
解説
ドルトンの分圧の法則により、混合気体の全圧力は、それぞれの気体が単独で存在したときの圧力(分圧)の単なる足し算(和)になります。
全圧力 = 酸素の分圧(2) + 窒素の分圧(3) = 5.0 atm。
気体の種類が異なっていても、圧力はそのまま足し算できるという基本的なルールです。

他の選択肢が不適切な理由
1.5という答えは二つの値の比を取ったもので、圧力の合計とは関係がありません。2.5という答えは二つの平均であり、気体を足し入れたのに全体の圧力が一方より下がるという不自然な結果になります。6.0という答えは二つを掛け合わせたもので、この場面で掛け算を使う理由はありません。混ぜた気体の圧力は、それぞれの圧力の足し算で求まります。
問83-5

【標準状態とモル体積】
標準状態(0℃、1気圧)において、理想気体 1モル(mol)が占める体積として、正しい数値はどれか。

  • 11.2 L
  • 22.4 L
  • 44.8 L
  • 100.0 L
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正解 22.4 L
解説
アボガドロの法則により、すべての理想気体は、種類(酸素でも二酸化炭素でも)に関わらず、標準状態(0℃、1気圧)で 1mol あたり 22.4 L の体積を占めます。
乙4の燃焼計算問題において「22.4L」という数字は掛け算・割り算のベースとなる魔法の数字です。絶対に暗記してください。

他の選択肢が不適切な理由
11.2リットルという答えは正しい値の半分にあたり、半分のまとまりを考えた場合の体積です。44.8リットルという答えは2倍にあたり、2つ分のまとまりの体積になります。100リットルという答えは、どの計算からも導かれないきりのよい数字です。この値は気体の種類によらず同じになるという点が要で、燃焼の計算でも土台になります。
問93-5

【理想気体と実在気体】
ボイル・シャルルの法則に完全に正確に従う気体を「理想気体」という。実在する気体が理想気体のふるまいに最も近づく(法則の誤差が小さくなる)条件はどれか。

  • 高温・高圧の状態
  • 高温・低圧の状態
  • 低温・高圧の状態
  • 低温・低圧の状態
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正解 高温・低圧の状態
解説
理想気体は「分子自身の体積がゼロ」「分子同士が引力でくっつかない」という架空の前提で作られた法則です。実在する気体(現実のガス)は分子の体積も引力もありますが、
・高温にする(ビュンビュン飛んで引力を振り切る)
・低圧にする(分子同士の距離が広がり、分子自身の体積が無視できる)
という「高温・低圧」の条件下であれば、理想気体に近い振る舞いを見せ、計算式の誤差が少なくなります。

他の選択肢が不適切な理由
高い圧力を含む二つの答えは誤りです。押し縮めるほど分子どうしの距離が近づき、分子自身の大きさや引き合う力が無視できなくなるためです。低い温度を含む二つの答えも誤りです。動きが鈍くなるほど分子どうしが引き合って離れにくくなり、計算式が前提にしている状態から遠ざかります。分子が勢いよく飛び回り、たがいに離れている状態が最も近くなります。
問103-5

【絶対圧力とゲージ圧力】
圧力計(ゲージ)が 2 atm を示しているタイヤ内の空気の「絶対圧力」はいくらか。ただし、大気圧は 1 atm とする。

  • 1 atm
  • 2 atm
  • 3 atm
  • 4 atm
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正解 3 atm
解説
圧力計が示す値(ゲージ圧力)は、「外の大気圧よりどれだけ高いか」を示しています。
宇宙空間のような完全な真空をゼロとした本当の圧力(絶対圧力)を求めるには、ゲージ圧力に大気圧(私たちが普段受けている1気圧)を足す必要があります。
絶対圧力 = ゲージ圧力(2) + 大気圧(1) = 3 atm。
ボイル・シャルルの法則を計算する際は、必ずこの「絶対圧力」を使用します。

他の選択肢が不適切な理由
1気圧という答えは、周囲の大気の圧力だけを答えたもので、中の空気が押している分を数えていません。2気圧という答えは、計器の値をそのまま用いたもので、計器が示しているのは外の圧力との差である点を見落としています。4気圧という答えは、大気の分を二重に足した場合の値です。気体の計算では、この足し合わせた値を用います。

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