2026年版・3-3

状態変化と熱・静電気の一問一答

危険物乙4「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から、状態変化と熱・静電気に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-3

物質の三態(固体・液体・気体)の状態変化の名称に関する組み合わせのうち、誤っているものはどれか。

  • 固体が熱を吸収して液体になる変化 ――――「融解(ゆうかい)」
  • 液体が熱を吸収して気体になる変化 ――――「蒸発(じょうはつ)」
  • 気体が熱を放出して液体になる変化 ――――「凝縮(ぎょうしゅく)」
  • 固体が熱を吸収して直接気体になる変化 ――「風解(ふうかい)」
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正解 固体が熱を吸収して直接気体になる変化 ――「風解(ふうかい)」
解説
ドライアイスやナフタリンのように、液体を経ずに直接ガスになる現象を「昇華」といいます。逆に、気体から固体になることも昇華(または凝華)と呼びます。
「風解」とは、結晶水を含んだ物質が空気中で水分を失ってボロボロの粉末になる現象(潮解の逆)であり、状態変化の名称ではありません。

試験の罠
融解(固体→液体)と溶解(溶媒に溶けること)の違いも試験で頻出するので区別しておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも正しい組み合わせなので、誤りとしては選べません。固体が熱を受け取って液体になる変化、液体が熱を受け取って気体になる変化、気体が熱を放して液体に戻る変化は、それぞれ名前と中身が正しく対応しています。固体から直接気体になる変化には別の呼び名があり、選択肢に挙がっている語は、結晶の中の水分が抜けて粉になる現象を指す別の言葉です。
問23-3

比重と密度の概念に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
A. 密度とは、物質の単位体積あたりの質量(重さ)のことであり、単位は一般に g/cm³ 等で表される。
B. 液体の比重とは、同体積の「4℃の純水」の質量を1としたときの質量の比である。
C. ガソリンの比重は約0.75であり、1より小さいため水に浮く性質がある。

  • 0つ(すべて誤り)
  • 1つ
  • 2つ
  • 3つ(すべて正しい)
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正解 3つ(すべて正しい)
解説
Aは正しい:密度は具体的な数値と単位を持つ物理量です。
Bは正しい:比重は「基準となる物質(液体なら水、気体なら空気)」との比較割合であり、単位はありません。
Cは正しい:ガソリンや灯油などの第4類危険物の多くは比重が1より小さく水に浮くため、注水消火が不適当となります。

試験の罠
気体の蒸気比重の基準は「0℃、1気圧の空気」です。「液体の基準は水」「気体の基準は空気」という前提を確実に押さえてください。

他の選択肢が不適切な理由
正しいものを0から2に絞る答えは、いずれも選べません。Aは、体積あたりの重さという定義と単位の付き方を正しく述べています。Bも、液体では水を基準に置くという比べ方を正しく示しています。Cも、水より軽いために水に浮くという性質を述べたもので、注水による消火が向かない理由にもつながる正しい記述です。
問33-3

熱の伝わり方に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A. 「伝導」とは、金属の棒の端を熱すると熱が次第に移動していくように、物質が移動せずに熱エネルギーだけが伝わる現象である。
B. 「対流」とは、温められた空気や液体が軽くなって上昇し、冷たい部分が下降することで物質全体に熱が伝わる現象である。
C. 「放射(輻射)」とは、太陽熱やストーブの熱のように、電磁波として空間を隔てて熱が直接伝わる現象である。

  • AとBのみ正しい
  • BとCのみ正しい
  • AとCのみ正しいとされる
  • A、B、Cすべて正しい
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正解 A、B、Cすべて正しい
解説
熱の移動はこの3パターンしかありません。
・伝導:固体内部の熱移動(例:フライパンの取っ手が熱くなる)。
・対流:液体や気体の循環による熱移動(例:お風呂の上が熱くなる)。
・放射(輻射):真空でも伝わる赤外線等による熱移動(例:離れた焚き火で顔が熱くなる)。

試験の罠
火災現場において、隣の建物に火が移る(延焼する)最大の原因は「放射熱」です。伝導や対流による着火メカニズムとあわせて出題されます。

他の選択肢が不適切な理由
三つのうちどれかを外す組み合わせは選べません。Aは、物そのものは動かずに熱だけが順に伝わる様子を正しく述べています。Bは、温まった気体や液体が動くことで全体に熱が回るという説明で、これも正しい記述です。Cも、間に何もなくても離れた場所へ熱が届くという現象を述べたもので、火災で隣の建物へ火が移る主な原因にもなっています。
問43-3

熱量、比熱、および熱容量に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  • 熱量とは、物質間で移動する熱エネルギーの量のことであり、単位にはジュール(J)などが用いられる
  • 比熱とは、ある物質1gの温度をわずか1℃だけ上昇させるのに必要となる熱量のことである
  • 比熱が小さい物質ほど、わずかな熱量で温度が上がりやすく(熱しやすく)、また冷めやすい
  • 熱容量とは物質全体の温まりにくさを示し、物質の質量が大きくなっても熱容量の値は変化しない
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正解 熱容量とは物質全体の温まりにくさを示し、物質の質量が大きくなっても熱容量の値は変化しない
解説
熱容量は「その物体全体」の温度を1℃上げるのに必要な熱量です。したがって、同じ鉄でも10gの鉄より1000gの鉄板の方が、温めるのに莫大な熱が必要(=熱容量が大きい)になります。式で表すと「熱容量 = 質量 × 比熱」です。

試験の罠
比熱は物質固有の性質(水の比熱は4.2等)なので質量で変化しませんが、熱容量はサイズによって変わります。この違いが頻繁に問われます。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも正しい記述なので、不適切なものとしては選べません。やり取りされる熱の量にはジュールなどの単位が使われます。1グラムあたり1度上げるのに要する熱の量という説明も定義どおりです。その値が小さいほど少ない熱で温度が上がり、冷めるのも速いという関係も正しく、フライパンが早く熱くなり早く冷めることに重なります。
問53-3

気化熱(蒸発熱)の概念と、それを利用した消火の原理について、正しい記述はどれか。

  • 気化熱とは気体が液体へ凝縮する際に周囲に放出される熱であり、水が水蒸気になる際に周囲を温める効果がある
  • 気化熱とは液体が気体になる際に周囲から奪う熱であり、水はこの値が非常に大きいため冷却消火に優れている
  • 水が気化する際には熱の移動は一切発生せず、単に体積が膨張することで酸素を追い出す窒息効果のみが働く
  • ガソリンは気化熱がほぼゼロであるとされるため、皮膚に付着しても冷たさを感じることは一切ない
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正解 気化熱とは液体が気体になる際に周囲から奪う熱であり、水はこの値が非常に大きいため冷却消火に優れている
解説
液体分子が結合を振り切って自由な気体(蒸気)になるにはエネルギーが必要です。これを周囲の熱から奪い取るため、結果として周囲の温度が下がります(打ち水をして涼しくなる原理)。水は比熱だけでなく、この気化熱も非常に大きいため、火災現場の熱を根こそぎ奪い取ることができます。

試験の罠
アルコールやガソリン等の揮発性が高い(すぐ蒸発する)液体が皮膚につくと、急速に気化熱を奪うため「ヒヤッ」と冷たく感じます。

他の選択肢が不適切な理由
気体が液体に戻るときの熱として周囲を温めるとする記述は、熱の出入りの向きが逆です。熱の移動が起きないとする記述も誤りで、体積が広がることよりも、周囲から熱を奪う点にこそ消火の力があります。ガソリンで冷たさを感じないとする記述も実際と違い、蒸発しやすい液体が肌に付くと素早く熱を奪うため、はっきり冷たく感じます。
問63-3

静電気の発生や蓄積を促進する(静電気火災の危険性が高まる)条件として、誤っているものはどれか。

  • 空気の乾燥がとても非常に激しく、相対湿度が著しく低い環境下にあること
  • パイプ内を流れる液体の流速が非常に速いため、激しい摩擦が発生し続けていること
  • 取り扱っている液体そのものが、電気を通さない絶縁体(第4類危険物など)であること
  • 配管や容器そのものが確実に接地(アース)され、大地としっかり接続されていること
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正解 配管や容器そのものが確実に接地(アース)され、大地としっかり接続されていること
解説
静電気は、物質同士の「摩擦」や「剥離」によって発生します。液体の流れるスピードが速いほど多く発生します。また、空気が乾燥していると電気が空気中へ逃げず、さらに石油類は絶縁体であるため電気が液中に蓄積(帯電)しやすくなります。

試験の罠
湿度を上げる(加湿する)、流速を遅くする、アースをとる、作業服を帯電防止にする、などが正しい静電気対策です。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも危険を高める条件なので、誤りとしては選べません。空気が乾いていると、たまった電気が空気中の水分を伝って逃げる道がなくなります。管の中を流れる速さが上がると、壁とのこすれが増えて電気が多く生じます。扱う液体そのものが電気を通しにくい場合も、生じた電気が液の中にとどまり続けます。乾燥、速い流れ、電気を通さない液の三つがそろう場面が最も危険です。
問73-3

静電気に関する次の現象のうち、爆発・火災の直接的な原因となる「点火源(火種)」となるプロセスはどれか。

  • 異なる種類の物質同士が接触することによって生じる電荷の移動(発生)
  • 絶縁体の表面において電荷が逃げ場を失ったまま留まり続ける現象(帯電)
  • 蓄積された高電圧が限界を超え、空気の絶縁を破って火花を出す現象(放電)
  • 帯電した物質のすぐ近くにある導体に、逆の電荷が引き寄せられる現象(誘導)
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正解 蓄積された高電圧が限界を超え、空気の絶縁を破って火花を出す現象(放電)
解説
静電気が発生し(摩擦帯電等)、それが蓄積される(帯電)だけではまだ火は出ません。溜まりに溜まった電気エネルギーが、アースされていない金属片等に向かって一気に飛び移る瞬間、空気中に強力な「火花(放電スパーク)」が発生します。これが数千度の熱源となり、可燃性蒸気に着火します。

試験の罠
プロセス(発生→帯電→放電→引火)の順番と、どの段階で何が起きるかを整理しておくことが重要です。

他の選択肢が不適切な理由
異なる物どうしが触れて電気が移る段階も、逃げ場を失った電気が表面にとどまる段階も、まだ火の元にはなりません。エネルギーが蓄えられていくだけだからです。近くの導体に逆の電気が引き寄せられる現象も、電気の分布が偏るだけで熱を出しません。火の元になるのは、たまった電気が一気に飛び移り、空気を貫いて火花を生じる瞬間です。
問83-3

ボイル・シャルルの法則に基づく気体の性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • 気体の体積は、常に圧力に比例して大きくなっていき、絶対温度には反比例して小さくなる
  • 気体の体積は、常に圧力に反比例して小さくなっていき、絶対温度に比例して大きくなる
  • 気体の体積は、圧力にも絶対温度にも常に比例するため、どちらが増加しても大きくなる
  • 気体の体積は、外部の圧力や温度がどれほど変化しても影響を一切受けず常に一定である
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正解 気体の体積は、常に圧力に反比例して小さくなっていき、絶対温度に比例して大きくなる
解説
風船をイメージしてください。
・ボイルの法則:外から力をかけて押す(圧力を上げる)と、風船は小さくなる(反比例)。
・シャルルの法則:温める(温度を上げる)と、中の空気が膨張して風船は大きくなる(比例)。
これを合わせたものがボイル・シャルルの法則です。

試験の罠
「比例」と「反比例」を逆にしてくるダミーが定番です。

他の選択肢が不適切な理由
圧力に比例して大きくなり、温度に反比例して小さくなるとする記述は、二つの関係が両方とも逆になっています。強く押せば縮み、温めれば膨らむという日常の感覚と正反対です。圧力にも温度にも比例するとする記述も、押しつぶす向きの力を膨らませる向きに取り違えています。圧力や温度の影響を受けないとする記述も、気体の性質そのものを否定するもので成り立ちません。
問93-3

温度の表し方(セルシウス温度と絶対温度)に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • 水が凍る温度(0℃)は、絶対温度では 0 K(ケルビン)と表される
  • 絶対温度(K)は、セルシウス温度(℃)に 273 を足した数値となる
  • 絶対零度(0 K)は、物質の分子運動が最も活発になる上限の温度である
  • 温度変化の幅(例えば10度上がったという差)は、℃とKで全く異なる値になる
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正解 絶対温度(K)は、セルシウス温度(℃)に 273 を足した数値となる
解説
絶対温度(ケルビン)は、分子の熱運動が完全に停止する「絶対零度(-273℃)」をゼロ(0 K)とした温度目盛りです。したがって、0℃は273K、20℃は293Kとなります。なお、目盛りの間隔(1度上がる幅)はセルシウス温度も絶対温度も全く同じです。

試験の罠
シャルルの法則の計算問題などでは、必ず温度を「絶対温度(+273)」に直してから計算しないと間違えるようになっています。

他の選択肢が不適切な理由
水が凍る温度をそのまま目盛りのゼロとする記述は誤りです。この目盛りのゼロは、分子の熱運動が止まると考えられる温度に置かれています。その温度で分子の運動が最も活発になるとする記述も、意味がまったく逆です。温度の差が二つの表し方で違う値になるとする記述も誤りで、目盛りの間隔は同じなので、10度上がったという差はどちらでも同じ値になります。
問103-3

物質の膨張に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • 一般に、固体、液体、気体の中では、温度上昇による気体の体積膨張が最も大きい
  • 第4類危険物の液体は温度が上がると体積が膨張するため、貯蔵容器には空間容積を設ける
  • 液体の体積膨張率は物質によって異なり、ガソリンは水よりも体積が膨張しやすい
  • 水の体積は温度によらず常に一定であり、凍結して氷になっても体積は変化しない
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正解 水の体積は温度によらず常に一定であり、凍結して氷になっても体積は変化しない
解説
物質は一般に、温度が上がると膨張し、下がると収縮します(気体>液体>固体の順に膨張率が大きい)。しかし、水は非常に特殊な性質を持っており、「4℃のときが最も体積が小さく(密度が最大)」なり、それより冷やして氷(固体)になると、分子の隙間が広がる構造をとるため逆に体積が増加します。

試験の罠
瓶入りのビールや水道管が冬場に破裂するのは、水が氷になって膨張する力によるものです。水に関する例外知識はよく問われます。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも正しい記述なので、誤りとしては選べません。同じ温度の上がり方でも気体が最もよく膨らむという説明は正しく、これは分子が自由に動ける度合いの違いによります。液体が温まって膨らむため容器にすき間を残すという説明も正しい取扱いです。膨らみ方が物質ごとに違い、油のほうが水より膨らみやすいという説明も、実際の性質に沿っています。

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