2026年版・1-2

製造所等の区分・設置許可の一問一答

危険物乙4「危険物に関する法令①」から、製造所等の区分・設置許可に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-2

製造所等を新たに設置しようとする者が、法令に基づき事前に許可を受けなければならない相手は誰か。

  • 建築基準法を管轄する国土交通大臣、またはその地方の整備局長であるとされる
  • 管轄区域の市町村長等(消防本部がある場合は市町村長、ない場合は都道府県知事)
  • 危険物の試験や検定を実施している危険物保安技術協会の理事長であるとされる
  • 道路交通等の安全を管轄する所轄警察署長、またはその地域の公安委員会であるとされる
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正解 管轄区域の市町村長等(消防本部がある場合は市町村長、ない場合は都道府県知事)
解説
消防法第11条により、製造所等の設置には許可が必要です。原則として、消防本部や消防署が設置されている市町村では「市町村長」、それ以外の地域では「都道府県知事」が許可権限を持ちます(試験ではこれらをまとめて市町村長等と呼びます)。

試験の罠
消防署長や国土交通大臣といったダミー選択肢に騙されないでください。実際の窓口は消防署でも、権限を持つトップは市町村長や知事です。

他の選択肢が不適切な理由
国土交通大臣は建築物の構造や道路などを所管する立場で、危険物施設の設置を許可する権限は持っていません。危険物保安技術協会は大型タンクの審査などを担う専門機関ですが、技術的な審査を行う団体であって、行政処分である許可を出す立場ではありません。警察署長や公安委員会は交通の取締りや車両の運行に関わる機関で、施設の設置には関与しません。許可を出すのは、その地域の消防を担っている市町村長等です。
問21-2

製造所等の変更手続きに関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A. 位置、構造または設備を変更する場合、必ず変更工事を開始する前(着工前)に許可を受けなければならない。
B. 軽微な設備の変更であれば、工事が完了した後に遅滞なく事後報告を行えばよい。
C. 変更の許可が下りる前であっても、消防署長への事前相談を済ませていれば仮着工が認められる。

  • Aのみ
  • AとB
  • BとC
  • AとC
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正解 Aのみ
解説
Aは正しい:製造所等の「位置・構造・設備」を変更する場合、新設時と同じく厳しい審査が必要であり、必ず「工事に着手する前」に許可を受けなければなりません。
Bは誤り:位置・構造・設備の変更において、事後報告で済む例外(軽微な変更)は一切ありません。必ず事前許可です。
Cは誤り:消防署との協議と法的な許可は別物です。許可証が交付される前のフライング着工は無許可変更として処罰対象になります。

他の選択肢が不適切な理由
Bを含む組み合わせは選べません。位置や構造、設備を変えた施設は完成検査に合格して初めて使えるという順序になっており、工事のあとに報告すればよいとすると、審査も検査も受けないまま危険物を扱えてしまうからです。Cを含む組み合わせも成り立ちません。工事の間に施設の一部を使い続けたい場合に用意されているのは仮使用の承認であって、着工そのものを前倒しする仕組みは設けられていないためです。
問31-2

設置許可を受けて工事を行った製造所等は、どの手続きを経た後でなければ使用を開始することができないか。

  • 工事が完了した旨を市町村長等へ届け出し、受理された後である
  • 市町村長等が行う完成検査を受け、基準に適合していると認められた後
  • 危険物施設保安員による自主検査を実施し、安全確認を終えた後
  • 使用開始届を消防長に提出し、10日間の安全猶予期間が経過した後である
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正解 市町村長等が行う完成検査を受け、基準に適合していると認められた後
解説
許可を受けて設置・変更した施設は、机上の設計図通りに安全に作られているかを確認するため、行政による「完成検査」を受けなければなりません。この検査に合格するまでは、原則として一滴たりとも危険物を貯蔵・取り扱うことは違法となります。

試験の罠
「届出を出せば即使える」という選択肢は間違いです。必ず「検査」と「適合(合格)」のプロセスが必要です。

他の選択肢が不適切な理由
完了した旨を届け出て受理されれば足りるとする記述では、図面どおりに作られているかを行政が実地で確かめる工程が抜け落ちます。危険物施設保安員は日常の点検や保守を担う施設側の担当者であり、その自主検査は事業者内部の確認にとどまるため、行政の検査の代わりにはなりません。使用開始届と一定期間の経過で使えるようになるという仕組みも設けられておらず、合格の確認を経ずに危険物を入れることはできません。
問41-2

製造所等の休止および廃止に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
A. 製造所等の使用を3ヶ月以上休止する場合、事前に市町村長等の承認を受けなければならない。
B. 休止中であっても、定期点検や保安監督者の選任など、施設の維持管理義務は免除されない。
C. 製造所等を完全に廃止した場合は、所有者等が遅滞なく市町村長等に届け出なければならない。

  • 1つ(Aのみ誤り)
  • 2つ(AとBが誤り)
  • 2つ(BとCが誤り)
  • 3つ(すべて誤り)
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正解 1つ(Aのみ誤り)
解説
Aは誤り:現在の消防法では、使用の「休止」に関する国レベルでの届出や承認義務は廃止されました(一部の市町村条例で求めている場合はありますが、国家試験では不要が正解です)。
Bは正しい:休止中であっても危険物施設であることに変わりはなく、安全管理の義務は継続します。
Cは正しい:施設を完全にやめる「廃止」の場合は、遅滞なく(速やかに)廃止届の提出が必要です。

試験の罠
「休止は届出不要、廃止は事後届出」という対比を確実に覚えましょう。

他の選択肢が不適切な理由
Bを誤りとして数える答えは選べません。休止している間も危険物や設備がそのまま残っている以上、点検や保安の体制を維持する義務は続くからです。Cを誤りとして数える答えも成り立ちません。施設をやめるときは、行政が把握している施設の状況と実態を一致させる必要があるため、遅滞なく廃止の届出をすることが求められています。したがって誤っているのはAだけであり、数は一つになります。
問51-2

製造所等を譲渡または引渡しにより取得した場合、新たな所有者が行うべき手続きとして正しいものはどれか。

  • 前所有者の許可は無効となるため、新たに設置許可を一から申請しなければならない
  • 譲渡を受けた後、遅滞なく市町村長等に譲渡引渡しの届出を行わなければならない
  • 取得する日の10日前までに、事前承認の申請を所轄消防署に行わなければならない
  • 危険物保安監督者が変更されない限り、特に行政に対する手続きは不要である
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正解 譲渡を受けた後、遅滞なく市町村長等に譲渡引渡しの届出を行わなければならない
解説
施設を丸ごと買い取ったり譲り受けたりした場合、ハードウェア(設備)としての安全性は既に許可・検査済みであるため、再度の許可申請は不要です。その代わり、権利関係が移転したことを事後速やかに(遅滞なく)行政に報告する「届出」の義務があります。

試験の罠
「譲渡引渡」と「品名・数量の変更」の期限の違いに注意。譲渡は事後の「遅滞なく」、品名変更は事前の「10日前」です。

他の選択肢が不適切な理由
設置許可を取り直すとする記述は、許可が施設そのものの安全性に対して与えられているという考え方に反します。設備が変わらないのに審査をやり直す必要はありません。取得の10日前までに事前承認を得るという手続きは定められておらず、10日前という期限は品名や数量を変更するときの届出の話です。保安監督者が変わらなければ何もしなくてよいとする記述も誤りで、施設の責任を負う者が誰なのかを行政が把握できなくなってしまいます。
問61-2

消防法における「取扱所」の区分に含まれないものは、次のうちどれか。

  • ガソリンスタンドなど、自動車等に直接給油する「給油取扱所」とされる
  • 容器入りの危険物を店舗で一般消費者に販売する「販売取扱所」
  • 長距離のパイプラインなどで危険物を移動させる「移送取扱所」
  • 屋外の開けた場所で危険物を一時的に取り扱うための「屋外取扱所」
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正解 屋外の開けた場所で危険物を一時的に取り扱うための「屋外取扱所」
解説
取扱所は以下の4種類のみに分類されます。
1. 給油取扱所(ガソリンスタンド等)
2. 販売取扱所(塗料店、ホームセンター等)
3. 移送取扱所(パイプライン等)
4. 一般取扱所(上記3つ以外のすべて。ボイラー施設、塗装工場など)
屋外で作業する場合でも、取扱所としては「一般取扱所」に分類されます。

試験の罠
貯蔵所には「屋外貯蔵所」がありますが、取扱所に「屋外取扱所」はありません。この言葉のトリックに注意してください。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも実際に定められている取扱所の区分なので、含まれないものとしては選べません。給油取扱所は自動車などに直接給油する施設で、ガソリンスタンドが代表例です。販売取扱所は容器に入ったままの危険物を店舗で売る施設で、塗料店などが該当します。移送取扱所は配管を用いて危険物を送る施設です。これらに一般取扱所を加えた四つで区分は尽きており、屋外で作業する場合も一般取扱所として扱われます。
問71-2

大規模な改修工事等において、完成検査に合格する前に、火災予防上安全と認められた施設の一部を先行して使用することができる制度の名称はどれか。

  • 仮貯蔵・仮取扱い承認
  • 仮使用承認
  • 完成前部分検査許可
  • 一部供用開始届出
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正解 仮使用承認
解説
製造所等の変更工事を行う際、工事部分以外の安全な箇所(例えば複数のタンクのうち工事しないタンク)を、完成検査を待たずに使い続けたい場合があります。このとき、市町村長等の「承認」を受ければ先行使用が認められます。

試験の罠
「仮貯蔵(指定数量以上を許可施設以外で10日以内保管)」と「仮使用(許可施設の一部を工事完了前に使う)」は全く別の制度です。名前が似ているため頻繁に混同を狙われます。

他の選択肢が不適切な理由
仮貯蔵と仮取扱いの承認は、許可を受けた施設ではない場所で短期間だけ危険物を扱うための制度であり、工事中の施設を使い続ける場面のものではありません。完成前部分検査許可や一部供用開始届出という名称の手続きは設けられておらず、いずれも実在しない制度名です。工事の途中でも安全が確かめられた部分を使いたいときに用いるのは、市町村長等の承認を受ける仮使用の制度だけです。
問81-2

製造所等において、貯蔵または取り扱う危険物の「品名」または「数量(倍数)」を変更する場合の手続きとして、正しいものはどれか。

  • 設備の変更を伴わないため、変更した後に遅滞なく事後報告として市町村長等に届け出る
  • 変更しようとする日の7日前までに、市町村長等の許可を受けなければならない
  • 変更しようとする日の10日前までに、市町村長等に届け出なければならない
  • 品名の変更は許可制であり、数量の変更は届出制と分かれているとされている
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正解 変更しようとする日の10日前までに、市町村長等に届け出なければならない
解説
ハードウェア(位置・構造・設備)の変更は「事前許可」ですが、ソフトウェア(中身の品名や数量)の変更は、構造上の安全が保たれる範囲内であれば「事前の届出」で済みます。ただし、消防側が確認する期間として、変更日の10日前までに提出する義務があります。

試験の罠
「変更後10日以内」とするダミー選択肢が非常に多いです。事後ではなく「事前(10日前まで)」です。

他の選択肢が不適切な理由
変更したあとに届け出るとする記述では、消防側が中身の変更を前もって確認できず、その施設で扱える範囲を超えていないかを確かめる機会が失われます。7日前までに許可を受けるという記述は、期限も手続きの種類も違っています。許可が必要になるのは施設そのものを変えるときであり、中身の変更は届出で足ります。品名は許可で数量は届出と分ける扱いも定められておらず、どちらも同じ届出の手続きで扱います。
問91-2

次の手続きのうち、市町村長等からの「許可」が必要なものはどれか。

  • 地下タンクを有する給油取扱所の、所有者の氏名や住所が変更になった場合
  • 一般取扱所の敷地内に、新たに屋内タンク貯蔵所を新設・増設する場合
  • 既に許可を受けている製造所の、危険物保安監督者を新たに選任した場合
  • 屋内貯蔵所で保管する危険物を、ガソリンから灯油へ変更する場合
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正解 一般取扱所の敷地内に、新たに屋内タンク貯蔵所を新設・増設する場合
解説
手続きの重さは、火災リスクに直結するかどうかで決まります。
・許可が必要:施設の新設、位置・構造・設備の変更(火災リスク大)
・届出でよい:所有者変更、品名・数量変更、保安監督者の選任、施設の廃止など(管理上の変更)
タンクを新設することは設備の重大な変更であり、事前許可が必須です。

試験の罠
「許可」と「届出」の区別は、乙4法令の最重要テーマの一つです。

他の選択肢が不適切な理由
所有者の氏名や住所が変わる場合は、施設の火災の危険性が何も変わらないため届出で足ります。危険物保安監督者を新たに選ぶ場合も、誰が責任者かを行政に知らせる届出の手続きであり、施設の審査をやり直すものではありません。貯蔵する危険物をガソリンから灯油に変える場合も、設備を変えないのであれば事前の届出で扱えます。許可が要るのは、タンクを増やすように施設の位置や構造、設備そのものを変えるときです。
問101-2

移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の設置許可申請を行う際、安全性を審査するために添付が義務付けられている書類はどれか。

  • 施設がすべての基準に適合していることを証明する完成検査済証
  • 運転に従事する予定の全乗務員の危険物取扱者免状の写し
  • 危険物を移送する際の、出発地から目的地までの詳細な移送経路図
  • タンクの容量や厚み等を示す、構造設備の明細書(設計図面等)
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正解 タンクの容量や厚み等を示す、構造設備の明細書(設計図面等)
解説
許可申請の段階では、車両はまだ完成していません(または完成していても審査前です)。したがって、「これから作るタンクが法基準(鉄板の厚さ、防波板の有無など)を満たしているか」を行政が事前審査するための設計図や明細書が必要です。

試験の罠
「完成検査済証」は、許可が下りて工事が終わり、最終検査に合格した後にもらえるものです。申請書に添付するものではありません。

他の選択肢が不適切な理由
乗務員の免状の写しを求める記述は、審査の対象を取り違えています。設置許可で審査するのは車両とタンクの構造であって、誰が運転するのかではありません。移送経路図も添付書類とはされていません。経路は運行のたびに変わるうえ、走行そのものは道路交通の規制で扱われる事柄だからです。完成検査済証は工事が終わって検査に合格したあとに交付されるもので、申請の時点ではまだ存在しません。

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